不動産投資でのリスク

不動産投資はその他の投資に比べて一般に高いリスクを抱えております。その中で特徴となるリスクからご説明いたします。

  1. 流動性が低い

    不動産は物件一件、一件特殊性がある商品であるため、他の金融資産などと比べると流動性が低くなっています。急にお金が必要になった時に換金したくても、銀行貯金や株券のように今日・明日にも換金するということができません。早くても1ヶ月、通常は現金化するまで数ヶ月は要します。売却するにはできれば半年から一年の余裕を持ちたいものです。特に、売り急ぐと売却価格も低くせざるをえなくなりますので、不動産投資は、あくまでも「余裕」資金で始めるスタンスが必要です。(ご自身が買うときの事を考えていただければ想像できると思いますが、たとえ同じ番地の不動産でも、接道、日当たり、広さ、建物の新旧、その他もろもろ条件が多少でも気に食わなければ購入を見合わされることが多いですよね?

  2. 金利上昇リスク

    「超低金利の恩恵」は、中・長期的にみると「不確定要素」ということがいえます。変動金利の場合、せっかく低利で調達した資金を元に資産を手にしても金利が上がって利払いが多くなれば、運用利回りは相対的に低下します。金利水準が「底値」に近い現在、将来的にある程度上昇することを見込んで運用計画をチェックしてみることも必要ですし、プランズは固定金利での資金調達を原則的にはお勧めいたします。(全期間は無理としてもできるだけ長い期間の固定金利)

  3. 価格下落のリスク

    プランズが勧める不動産投資の現在の考え方のベースは、あくまでも将来的にインカムゲイン(収益)がどれくらい見込めるかという点にありますが、キャピタルゲイン(売却益)も狙ってみるという考え方も間違ってはいませんが、予想に反して下落するリスクもある点は承知しておかなければなりません。景気が更に回復すればまた昔のように不動産価格が上がるだろうと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、「少子高齢化」で借り手(需要)の先細りがはっきりしており、一方通行の上昇は予見できません。現在想定される需要と供給のバランスからいってバブル期のように不動産価格が急上昇することはありえないといっていいでしょう。(例えば構造的変革があって少子化がストップして出生率が2.5倍になるなどの変化があればべつでしょうが)将来的に売却するときのことを考えて値下がりリスクの少ない立地や条件を選ぶようにしましょう。

  4. 低稼働のリスク

    すでに入居者がいるオーナーチェンジ物件や、人口密集度の高い人気エリアの物件などを購入する場合は当初はあまり問題になりませんが、駅から遠いとか、地方都市で人口が少ない地域のワンルームマンションを購入する場合や供給過剰感の高い都心部のオフィスビルを購入する場合など、「空き室」が発生するリスクをあらかじめ想定して、対策を考えておく必要があります。マンションの一棟買い等ならサブリース(一括借り上げ方式)を利用するなど、購入前に検討はしておいたほうがいいでしょう。

  5. 老朽化と損壊のリスク

    区分所有のマンションの場合はよほど古い物件でない限り大規模な修繕のリスクは、管理組合や管理会社がしっかりしていればある程度予測もできます。一方、表面利回りが一般的に高い中古のアパートや一棟買いのマンションなどの場合、雨漏りや給排水設備の故障などの入居者からのクレームは最終的に「大家さん」であるあなたのところにきます。クレームがきてから慌てるのではなく、あらかじめリフォームや修繕を依頼する業者を決めておいたほうがいいでしょう。また、外壁などの修繕をことさらに煽り壁の崩落、看板の落下などを起こさせた場合には民事上の責任以上の責任を負うこともあります。最近起きた中越地震の例をみるまでもなく、日本は「地震」の多い国です。また、今年は特に台風による土砂災害も多かったようです。こうした天変地異から逃れるすべは、ありませんが、被害を最小限にとどめ、リスクを減少させることはできます。まず第一に考えられるのは保険に入ることですが、通常ローンを組むときに加入するのは火災保険だけです。地震保険はなかなか高額であり補償額も少ないのですが、万一のことも考え検討することも必要です。検討対象がきまった段階で、地盤や地震に強い地域がどうか調べておくのもいいでしょう。構造計算書偽装事件が、社会問題として大きくとりあげられ建物の一番重要な「躯体」部分の施工に重大な関心が寄せられております。「はっきりいえば、基礎・躯体が、頑丈に施工されていることこそ重要であり、玄関が大理石張りの豪華な見世物である必要はないのですが、どうしても、見た目、うわべにとらわれてしまうことが多いようです。